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@decay_world

減衰世界@decay_world

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4,255日(2012/07/06より)
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10,536(2.4件/日)

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2016年09月30日(金)16 tweetssource

9月30日

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減衰世界@decay_world

【用語解説】 【労働力としての人造胚】
人間を育てるのはコストがかかる。故に人件費が高くなり、魔法使いの労働によって生まれる魔法素材は高価になる。それを解決しようとしたのが人造胚である。安価で生産できる人間によって人件費を削減するのだ。ただ、それは簡単な話ではなかった

posted at 21:00:18

9月30日

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減衰世界@decay_world

「ルアニトル君、授業を見ていくかい?」
 センセイはそう笑いかけた。ルアニトルも、好奇心から見てみたいと答える。休憩時間にはまだ余裕があった。
 教壇に立った先生は20人ほどの人造胚に語りかける。
「さて、特別授業です」 20

posted at 20:53:48

9月30日

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減衰世界@decay_world

「わたしは生まれ変わって猫になるにゃん!」
 猫少女は輝く目でそう言った。センセイは苦笑して彼女を仲間の下へ運ぶ。
「人間より素晴らしいのに、猫になる必要ないじゃないか」
「えー」
 本当に、輝いた世界だった。 19

posted at 20:48:40

9月30日

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減衰世界@decay_world

「へぇ、何だか不気味ですね」
「そうかな……人間よりずっと純真で、素晴らしい生き物だよ……」
 そう語る先生の目は愁いを帯びている。確かに彼らのあどけない会話、夢や希望を語る口ぶりには心が清められるようだ。
「大きくなったら人の役に立ちたいなー」
「私お菓子作る!」 18

posted at 20:44:06

9月30日

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減衰世界@decay_world

「彼らはいったい」
「人造胚だよ。よく聞くだろう、新たな量産人間だ……」
 労働力として期待される人造人間、それが人造胚。
 センセイに促されて、ルアニトルは猫少女を床に下ろす。猫少女は懐いたのか、ルアニトルのひざ元を離れない。
「ここは人造胚教育施設……」 17

posted at 20:39:30

9月30日

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減衰世界@decay_world

_隣の区画はルアニトルの作業場とは全くの別空間だった。苦悶の表情で作業している作業員などいない。代わりに、園児の部屋のような極彩色の空間にやはり手足のない少年少女が這い回っている。
「せんせー!」
「せんせーだ!」
 挨拶する園児のようなもの。 16

posted at 20:33:41

9月30日

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減衰世界@decay_world

「あのう……機密とかいいんですか?」
「見せても良い区画を見せる……それに断片的な情報から妄想の噂話をされる方が困る……君の抱えている少女のことさ」
「センセイ! 迎えに来てくれたニャー!」
「抜け出したのに悪びれもせずいうね……」 15

posted at 20:28:25

9月30日

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減衰世界@decay_world

_出会ったのは不健康そうな白衣の学者だった。彼は目のくまが深く無精ひげがを放置している。頭はぼさぼさのままだ。
「や……固形物を食ったね。おやつは砂糖水って言っているだろう」
 猫少女をたしなめる学者。彼はセンセイと呼ばれていた。
「ルアニトル君、工場を見ていくかい」 14

posted at 20:23:15

9月30日

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減衰世界@decay_world

「チーフ! チーフ!」
 すぐさま報告をする。ルアニトルはこの工場の全容を知らない。恐らくは隣の区画……バイオ関連の工場から抜け出してきたのだろう。そう判断した。そして、チーフもまた同じ判断を下した。
「向こうの主任を呼ぼう。君の貴重な休憩が潰れてすまんね」 13

posted at 20:16:25

9月30日

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減衰世界@decay_world

「うわっ、どうした!?」
 食べたお菓子をみな吐き出した少女。ルアニトルの腕の中でうねうねと魚のように跳ねる。
「猫にお菓子は禁物ニャー」
「君は、猫なのかい」
「そうだニャー」
 そうには見えない。明らかに工場内生産物だ。 12

posted at 20:12:17

9月30日

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減衰世界@decay_world

_謎の少女を戸棚から引っ張り出したルアニトルは、彼女の姿をつぶさに観察した。全体的に色素が薄く、白皙、白髪、赤い目をしている。奇妙なのはその四肢だ。まるで芋虫のように手足が無い。昆虫の脚のような金属部品が背中にあり、それで歩くようだ。
「お菓子ウマウマ……オエーツ」 11

posted at 20:07:14

2016年09月29日(木)16 tweetssource

9月29日

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減衰世界@decay_world

【用語解説】 【作業用ローブ】
魔法を連続して使用する際の負荷を軽減する装備。特殊な繊維でできており、魔法をセットできるシリンダーが邪魔にならない場所に編み込まれている。用途によって素材は様々だが、空腹や疲労を軽減する効果は同じである。見た目は魔法使いのローブと変わらない

posted at 20:39:50

9月29日

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減衰世界@decay_world

_芋虫のような手足のない身体をねじって、棚から一人の少女が零れ落ちた。そして菓子の甘いソースで口元を汚した顔を、笑顔に変えて。
「ありゃ、見つかっちゃいましたニャー?」
 そう言ったのだった。その瞳には、三角形の瞳孔が開いていた。 10

posted at 20:31:25

9月29日

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減衰世界@decay_world

_そう、戸棚の開いた扉から可愛いお尻がポロリとこぼれている。ただ、妙なのは戸棚のサイズだ。そこまで大きくはない。人間が入れるはずないのだ。入れるとしたらバラバラにするしかない。
「まさか……」
 息を飲む。ただ、最悪の事態ではなかったようだ。尻が動いた。 9

posted at 20:27:14

9月29日

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減衰世界@decay_world

_そうやって生まれた感情も魔法の足しにして、彼は回復を続けた。顔を上げて、戸棚の茶菓子に目を向ける。失った糖分を補給しよう……そこまで考えて、彼はぎょっとする。戸棚に何か……枕のようなものが詰まっている。いや……。
「あれは……尻?」
 自分で言っていて訳が分からない。 8

posted at 20:22:32

9月29日

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減衰世界@decay_world

_魔法の力は、感情と意力によってもたらされる。焦り、理不尽に対する怒り、やるせなさ、悲しさ……様々な感情が湧きあがり、ルアニトルのすり減った魔法の力に注がれていく。ただ……。
(意力だけはどうしようもない……のしかかる疲労と釣り合わない賃金を前に、どうやってやる気を出すんだ) 7

posted at 20:17:35

9月29日

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減衰世界@decay_world

_埃っぽい空気をぜえぜえと吸い、ゆっくり一歩一歩歩く。休憩室に入り、椅子に座った。紅茶を淹れる気力もなく机に突っ伏し、目を閉じて体を休める。
 全力を振り絞って魔法を使い、ようやく他人と同じレベルの魔法を使える。後遺症が与えた影響は大きかった。
(僕はやれるんだ……ッ) 6

posted at 20:11:48

9月29日

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「ルアニトル君、疲れたかね? そろそろ休憩に入るといい」
 目を開けると、隣にチーフが立っていた。髭を生やした初老の男で、細めた目は恵比寿のようだ。
「ありがとうございます。休憩します」
 ルアニトルは素直に言葉に甘える。きりのいいところで作業室を出て休憩室に向かった。 5

posted at 20:06:27

9月29日

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減衰世界@decay_world

_魔法を使うと疲労と空腹に襲われる。それが魔法の基本的なルール。支給されている飴玉をまた一つ口に含み、彼……ルアニトルは目を閉じた。
(もう少しだ頑張れよ。こうでもしなきゃ、人の役に立てないんだから)
 彼は学生時代、魔法の使用に大きく制限を受けた。今でも魔法を使うのは辛い。 4

posted at 20:02:01

9月29日

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減衰世界@decay_world

_20人ほどの魔法使いが蒸し暑い工場内で暑苦しいローブを着て作業する。汗を流しての作業。硬い座布団に胡坐をかき、目の前の板金に魔法を練り込む。時折立ち上がって板金を運ぶ。魔法素材が高価なのは、魔法使いを酷使せねばならないからだ。人件費は抑えることができない。 3

posted at 19:55:53

9月29日

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減衰世界@decay_world

「輸送艦が入港したぞ! ノルマまでもうすぐだ! ラストスパート、頼むぞ! 焦ることはない、品質重視だ」
 背中にチーフの声。彼の作業は遅れていた。同僚の魔法使いたちは限界が近い。魔法を素材に練り込むには、魔法使い一人一人が疲労と空腹に耐えて作業せねばならない。 2

posted at 19:50:04

9月29日

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減衰世界@decay_world

_誰かのために役に立て。学校ではそう教わった。彼は今それを思う。板金に魔法を練り込む作業に、彼は日々追われていた。
(人々の役に立つ。素晴らしい思想……心の毒を麻痺させる薬だ)
 足はふらつき、目はチカチカする。薄暗い工場。埃まみれの作業ローブ。空調は効いていない。 1

posted at 19:44:44

2016年09月28日(水)1 tweetsource

9月28日

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減衰世界@decay_world

_/_/_/ 新作準備中 _/_/_/
本日は新作の準備日として更新を休みます。原稿が完成して間もないため、十分な推敲の時間をいただき、万全の態勢で更新に臨みます。明日から更新を行う予定です。ご期待ください #減衰世界

posted at 18:00:55

2016年09月27日(火)2 tweetssource

2016年09月26日(月)17 tweetssource

9月26日

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減衰世界@decay_world

【次回予告】
誰かのために役に立て。学校ではそう教わった。彼もそうだった――。工場で魔法労働に従事する主人公が、偶然見つけた少女。彼女の教育者のセンセイ。そして……無邪気な悪意が、空を舞う。

次回「航空虚兵」

全60ツイート予定。実況・感想タグは #減衰世界 です

posted at 20:32:48

9月26日

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【用語解説】 【シルフの雛】
シルフは最初幾何学的で無機質な形で魔力の濃い場所より生れ落ちる。そして周囲の魔力を食らいながら成長し、最終的に神の姿=人間型へと成長する。一部のシルフは神の姿から離れた変態をするが、それは格が低いゆえに畏れ多く神の姿を保つことができないためである

posted at 20:24:50

9月26日

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_偶然か、あるいは気紛れか。あの日の個体が今回のクラウドシルフとは限らない。真実は教えてくれなかった。
 飛行船乗りはクラウドシルフと互いの距離を保ちながら、距離感を間違えながら。それでもたまには助け合い過ごしてきた。そしてそれは明日も続くだろう。 49

posted at 20:15:55

9月26日

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「今日みたいな寒い日だった。僕は病床のシルフに恋をした……シルフを閉じ込めておこうとしたんだ。でも、それは間違いだと気付いた……シルフに触れた手が裂けたときに。彼女は謝ってくれたけど、もう僕はシルフに恋をしないと約束した。彼女を夜明けの空に放ったんだ」 48

posted at 20:10:05

9月26日

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_カイミェルはその日のことをデキリィに打ち明ける。
「僕は一度シルフに恋をした……」
 病気になって船内に紛れ込んだクラウドシルフの雛。めちゃくちゃになる船内、大捕り物のはじまり。カイミェルは密かに彼女を保護し、治療を施してやった。 47

posted at 20:05:04

9月26日

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_デキリィが駆けよる。クラウドシルフはこちらを見もせず雲間に消えていった。
「あいつ……もしかして」
「どうしたの?」
「昔……今日みたいな日に、事件があった」
(新しい恋を、見つけられた?)
 言葉が脳内でリフレインする。 46

posted at 19:59:32

9月26日

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_触れるもの全てを切り裂くシルフの羽衣も、いまは羽毛のように優しかった。如何なるきまぐれであろうか、クラウドシルフがひとを助けたのだ!
 飛行船に接近し、デッキにカイミェルを放り投げる。
「いてっ……照れ隠しかよ」
 プライドの高い彼女らしい仕打ちだった。 45

posted at 19:55:12

9月26日

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_このまま落下していくかに思えた。カイミェル自身もそう思っていた。しかし、落下は止まった!
『新しい恋を、見つけられた?』
 上位シルフ語で語りかけ、彼を抱きかかえるクラウドシルフ……先ほどの傷ついた個体だ! 44

posted at 19:50:35

9月26日

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_エンジンの爆発! それと同時に突風がカイミェルを突き飛ばした。カイミェルは足場から落とされたことで距離を保ち被害を免れる。
 だが、命綱が……切れた! 空へと投げだされるカイミェル。
「う、うわっ」 43

posted at 19:43:02

9月26日

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「や、やったか……?」
 ぬるり、とシルフの身体がうねり、プロペラに絡まった羽衣を引き抜く! 脱出に成功したのだ!
 傷ついた身体を高速再生させながら離脱していくシルフ。
「一見落着か、連絡を入れないと」
 カイミェルはそこで話術機が無いことを思い出す……そのとき! 42

posted at 19:37:45

9月26日

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_その一刻前、ようやくプロペラが逆に回りだし、クラウドシルフはミシミシと身体を軋ませて脱出を試みる。
「いけるぞ……その調子だ」
『――――』
 言葉は違えど、通じるものがあった。一瞬プロペラを回す手が軽くなる。 41

posted at 19:33:34

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