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@decay_world

減衰世界@decay_world

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2016年08月31日(水)16 tweetssource

8月31日

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減衰世界@decay_world

【用語解説】 【スムート】
先の超文明である灰積世を創造した神が、灰積世を豊かにするために創造した金属。結局豊かになりすぎたスムートハーピィの文明は、神々との決戦に挑み、全て灰燼に帰して消滅した。スムートの特性は脆い代わりに高品質というものだが、合金によって弱点は完璧に埋められる

posted at 20:43:12

8月31日

@decay_world

減衰世界@decay_world

_けれども、面倒そうな皆の顔を見たとき、モーラはいてもたってもいられなくなってしまった。
(みんなのために、立候補しなくちゃ)
 アクセルに細工をすることを提案し名乗り出る。
(わたしはみんなのために役立たなくちゃ)
 モーラはそう思っていたのだ。 10

posted at 20:30:58

8月31日

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減衰世界@decay_world

_ザリガニ騎士団は早速3台の車をエントリーさせた。蒸気車には最低二人のドライバーを乗せなければならない。つまりザリガニ騎士団からは最低6人のドライバーが選ばれるということだ。
(わたしには関係ない)
 モーラは最初そう思っていた。
(アクセルに足が届かないし) 9

posted at 20:20:52

8月31日

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減衰世界@decay_world

_蒸気車は先の文明、旧エシエドール帝国が開発した技術で、旧帝国崩壊後は技術が断絶し新しい蒸気車は作られていない。旧帝国の技術は確かだ。台数自体はある。ただ、ほとんどの蒸気車が帝都にあり、持ち出しは禁じられていた。この騎士団……ザリガニ騎士団は3台の蒸気車を所有している。 8

posted at 20:15:40

8月31日

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減衰世界@decay_world

――

 発端は、賞金200ポンドの見出しの広告だった。
「やべぇ! 俺たちの稼ぎの1年分だぜ!」
 興奮する騎士団員たち。野営地が一つのレース参加者募集に湧きたっていた。参加資格は蒸気車の持参だ。これはかなり厳しい条件である。 7

posted at 20:06:50

8月31日

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減衰世界@decay_world

「モーラ! 遅れたら私たちはハーピィの餌だ! 気合い入れていくぞ!」
「は、はひぃ……!」
 砂利を跳ね飛ばして蒸気車が猛スピードで駆ける。デスレースは終盤を迎え、さらに過熱していた……。 6

posted at 20:01:15

8月31日

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減衰世界@decay_world

_神秘の合金スムートで作られた車体は頑丈だった。フレームは歪むことなく、蒸気車は元通り進む。モーラは後ろを振り返る。イノシシの死体。森の中から素早く数人のハーピィが現れ、肉の取り合いが始まった。
「まさか、蒸気車に轢かせるために道に追い込んで……!」 5

posted at 19:55:27

8月31日

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減衰世界@decay_world

_一匹のイノシシ……グレイボアが森の道を塞いでいる!
「ぎゃあああ! ブレーキ!ブレーキです!」
「止まれるか! 勝負だ! イノシシ!」
「ええーっ!?」
 蒸気車はそのままイノシシを跳ね飛ばす! へこむフロント! バランスを崩し蛇行する蒸気車!
「アアアーッ!」 4

posted at 19:49:44

8月31日

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減衰世界@decay_world

_体格のいい女騎士セリマと、背が低くシートに座るとアクセルに足が届かない女騎士モーラ。二人はこの過酷なレースに飛び込んだ走者の一組だ。
「アクシデントたくさんあったけど、無事にゴールできそうですね。何位なんだろうなぁ……」
「オッ!」
 血走った眼を剥くセリマ! 3

posted at 19:44:35

8月31日

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減衰世界@decay_world

_そう、彼女たちは蒸気車レースの真っ最中だった。灰土地域を横断する過酷なレース。東の果て砂漠からスタートする。ゴールは聖河の南側、灰土地域南部森林地帯。
 そう、いまレースは終盤に差し掛かろうとしていた。嵐のように蒸気車が駆け抜け、極彩色の鳥が逃げていく。 2

posted at 19:39:34

8月31日

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減衰世界@decay_world

_蒸気車が森の小道を疾走する。砂利道のせいで車の中は猛烈に揺れていた。女騎士のモーラは車の助手席でびくびく怯えている。
「あのう……セリマさん、少し速度を落とした方が……」
 運転席には、やはり女騎士で長身のセリマ。
「なに言ってんの、レースなのよ、競争なの!」 1

posted at 19:34:54

2016年08月30日(火)2 tweetssource

2016年08月29日(月)18 tweetssource

8月29日

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減衰世界@decay_world

【次回予告】
高額賞金を求めて、二人の女騎士が蒸気車レースに挑む! 大陸を横断し、砂漠、荒野、川辺、そして密林を行く! そして、二人はかけがえのない何かを手に入れる……はず!

次回「女騎士・イン・デスレース」

全50ツイート予定。実況・感想タグは #減衰世界 です

posted at 20:51:25

8月29日

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【用語解説】 【蝙蝠】
魔法使いの使い魔として有名だが、野生動物としても多数生息する。感情は持たないが、使い魔として人間の魂を与えられた場合は、感情を持ち、魔法使いの魔法を使う中継点として利用できる。揚力が信じられていないので、やはり蝙蝠も気合で飛んでいると思われている

posted at 20:42:15

8月29日

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減衰世界@decay_world

_ひとつだけ新たな習慣が加わった。閉店間際になると、やってくるのだ。一匹の蝙蝠が代金と注文のメモを持って。
 メイは、蝙蝠にいつものように白きのこの特製ソース煮込みを持たせるのだ。それ以外は何もしない。それが二人の最適な距離だから。 30

posted at 20:35:11

8月29日

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減衰世界@decay_world

_それ以降、彼は店に姿を現さなかった。相変わらず街には暗雲が立ち込め、今日もどこかで猟奇殺人が起こる。
 廃水は上から下へと滴り落ち、遥か下の澱みへと流れ込んでいく。それを笑顔と匂い消しの呪文で打ち消し、店は輝く。 29

posted at 20:30:57

8月29日

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_メイは笑顔で答えた。それを見た男は代金を支払い黙って店を出る。店に沈黙が流れた。列車が通り、店が揺れ、ガス灯の炎が揺れる。
「変な魔法使いさんもいたものです……」 
 メイは静かな店内でひとりつぶやく。その声は震えていた。けれども、彼女の笑顔は変わらなかった。 28

posted at 20:28:00

8月29日

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「はい、どうぞ」
 商品を差し出すメイ。その指は僅かに震えている。魔法使いは優しくそれを受け取った。
「魔法は完璧ではない。それは人間が完璧でないように……衝動を抱えて生きるのもありか」
「あなたは大事なお得意様なんですから、気にせず今後ともよろしくお願いします」 27

posted at 20:23:36

8月29日

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_いつものように白きのこの煮込みを紙の鍋に包むメイ。
「あなたは衝動に抗おうとしている」
「そうだ、僕は決心が欲しかったのかもしれない。君に秘密を打ち明けることで、決心にかかる重圧を軽くしようと……ふふ、魔法使いといえどただの人間か」 26

posted at 20:18:38

8月29日

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「そんなこと言わずに、また買物にきてください……!」
 男は、驚いて振り返る。
「魔力が僕の感情を掻き立てる……食欲を掻き立てる料理を前にして、衝動が僕を襲うんだ。君はいつ殺されてもおかしくないんだ」 25

posted at 20:15:06

8月29日

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減衰世界@decay_world

「何度も君をさらおうとした……そのたび決心は揺らいだ。もう無理だ。君を襲うことはできない」
 メイは黙って聞いていた。列車が通り、店がきしみ、電灯が明滅する。
「さようなら。もう君を狙うことは無い。きのこはおいしかったよ」
 店から出ようとする彼に、メイは声をかけた。 24

posted at 20:11:24

8月29日

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減衰世界@decay_world

「だけど、この店に来て、君の笑顔を見たら……その思いは消えてしまった。君に何度でも会いたいと思った」
 突然音が止まった。渦巻いていた魔力の風が止まっている。魔法使いは両肩を抱いて震えていた。衝動を抑えているようだった。まるで蟻を踏まないように配慮しているように。 23

posted at 20:05:39

8月29日

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_動き出す店内の中で、彼だけが動かず立ったまま語り続ける。
「君を今度の儀式の生贄にする……予知ではそう出たんだ」 
「やっぱり、魔法使い……」
 超越的な力を持つ彼らは、時として一般人を犠牲にする。行方不明者の大半の原因だ。その権力は法が保証している。 22

posted at 20:03:09

8月29日

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「きのこの味に飽きちゃいました?」
「いや……」
 彼は即答し、首をゆっくりと横に振る。。
「僕がここに来たのは、最初から最後まで君が目的だった」
 様子がおかしい。カサカサときのこの包み紙がざわついている。ガス灯の炎が大きく揺れた。 21

posted at 19:54:30

2016年08月28日(日)16 tweetssource

8月28日

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【用語解説】 【白きのこ】
人類帝国が市民の主食として開発したキノコ。豆乳パンに似た味がする。形はエリンギに似ているものが一般的だが、様々な亜種が存在する。砂を固め養分を染み込ませた菌床から生え、3日で成熟する。地球のキノコと違い、炭水化物が非常に多く含まれている

posted at 20:34:26

8月28日

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_2ヶ月が経っただろうか? いつものように彼は閉店間際にやってきた。
「あら、いらっしゃい。いつものかな?」 
 しかし、その日は様子が違う。彼は戸口に立ったまま一歩も動かない。こんなことは初めてだ。
(怒らせちゃったかな……何かしたかな) 19

posted at 20:21:49

8月28日

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_メイの興味は日増しにつのる。どんな生活をして、どんな夢を見て、誰と話すのだろう。思いが漏れないように苦心した。客と店員の垣根を越えるのが怖かった。そして彼も同じであろう。
 実際彼はいい客だった。何も話さない。用事を済ませたら、すぐに帰ってしまう。 18

posted at 20:17:21

8月28日

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_彼は一週間に一度のペースで閉店間際にやってきた。話すことはほとんどなく、いつも白きのこの特製ソース煮込みを注文した。
 少々不気味だったが、常連客であることには変わりない。メイはそのたび愛想よく接した。
(笑顔、笑顔よ……でも気になるわ~) 17

posted at 20:12:36

8月28日

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_ひょっとしてこの男が魔法使いだったら……メイは悪寒がした。男は何かを話そうとして口を開き、動きを止め、そして何も語らぬまま店を出ていく。メイは時計を見る。21時だ。
(魔法使いだとしても、今はただの客だ)
 そうして彼女は店を閉めた。それが彼との初めての出会いだった。 16

posted at 20:07:21

8月28日

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「最近魔法使いがよく出ますから、暗い帰り道気を付けて。生贄になっちゃったら、悲しいです」
 再びにこりと微笑むメイ。そのとき、再び列車が通った。騒音が場を埋め尽くす。店はきしみ、ガス灯が揺れ影が躍った。男の目が虹色に光る。
(またこの目だ……) 15

posted at 20:02:42

8月28日

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_カウンターに戻ると、男はすでに代金を置いていた。
「どうぞ」
 笑顔で差し出すメイ。男は小鍋を受け取り、フードの奥で優しく微笑む。それだけで心が通じ合ったような気持ちだ。
「えへ、またいらっしゃってくださいね」
 メイはそう言って代金を手に取る。 14

posted at 19:58:15

8月28日

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_男はメニューを指さす。白きのこの特製ソース煮込みだ。
「あら、これかしら。まいど~」
 男は頷く。少しシャイなのかもしれない。悪意があったとしても、今この瞬間彼は注文をしただけの客だ。そう思えたらメイの緊張もほぐれた。紙製の小鍋に味のしみたきのこをいれ、封をする。 13

posted at 19:54:56

8月28日

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_恐ろしい客、不躾な客、無礼な客。そういう客もいる。そういう客にも笑顔で答え、営業を妨害するようなら厳しく接していた。
 現れた男はまだどういう客か分からない。ただの人見知りかもしれない。沈黙は続く。男の目の奥、虹が砕けるように光る。やがて男が動いた。 12

posted at 19:48:21

8月28日

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_歩み寄る男がカウンターの前で立ち止まる。しばらく男は無言でメイを見つめていた。商品を見るというよりは、恐ろしい目つきでメイを品定めしているようだった。
 メイは笑顔のまま首をかしげる。
「ご注文はございますか?」
 愛想良く彼女は男に語りかけた。 11

posted at 19:41:49

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