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@decay_world

減衰世界@decay_world

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2016年07月31日(日)16 tweetssource

7月31日

@decay_world

減衰世界@decay_world

【用語解説】 【煉瓦】
灰土地域で煉瓦を大量生産するうえで障壁となったのが、焼成のための燃料の不足である。魔法で熱を与える方法や、石油スライムの飼育、赤皮獣のフンを燃やすなどによって苦労して作っていたが、最終的には採掘設備の発展によりガスを燃やして焼成するようになった

posted at 20:16:09

7月31日

@decay_world

減衰世界@decay_world

_そのとき二人の前に人形が現れる。それは子供くらいのサイズの大きな人形で、顔には笑顔が描かれている。その手には包丁。人形はゆっくりと歩み寄ってくる……。
「あ、どうもこんにちは」
 挨拶するレッドに向かって、包丁が鋭く彼の心臓を狙う! 40

posted at 20:02:18

7月31日

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減衰世界@decay_world

_フィルは立ち止まって、頭をかいた。
「空間がねじ曲がっていますね。この館自体が巨大な魔法陣なんでしょうから、ありえますよ」
 魔法陣……魔法使いが自分の好きなルールを適用できる空間。「無くしたものが見つかる」というルールはもちろん、いくらでも好きな現象を起こせる。 39

posted at 19:55:48

7月31日

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減衰世界@decay_world

_とうとうカラールを見失ってしまった。
「おい、この館ってこんなに広かったっけ」
 二人は巨大な立体迷路になった周囲を見渡す。あちこちにがらくたが積み重なり、小さな光源だけでは照らしきれない巨大な闇が広がっていた。
「増改築しすぎとはいえ……」 38

posted at 19:50:56

7月31日

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減衰世界@decay_world

_ボロボロのマントに色あせたターバン、カラールだ。
「こっそり忍びこんでいたのか」
 追いかけようとするが、何故かどんどん遠くなっていく。声をかけても届いている様子は無い。二人は走ってみるが距離は縮まらないどころか広がっていく。
「なんだ変だぞ。空間がおかしい」 37

posted at 19:47:04

7月31日

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減衰世界@decay_world

_フィルは立ち止まって耳を澄ます。二人以外の誰かの足音が聞こえる。
「レッド、誰かいる。念のため隠れよう」
 二人は光源をコートの下に隠し、がらくたの陰に身を寄せた。遠くに別の光源がちらつくのが見える。遠くながらも光源の主ははっきりとわかった。 36

posted at 19:43:04

7月31日

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減衰世界@decay_world

_目に映るがらくたにそれほどの価値があるとは思えなかった。どれも日用品や玩具などのありふれたものばかりだ。しかしそれも、失くしたひとにとっては大切なものなのだろう。がらくたに踏まないよう歩く。
「ここに俺達の失くした物もあるのかな」
「あるかもしれませんね……おや?」 35

posted at 19:36:34

7月31日

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減衰世界@decay_world

「市長はなんであんなに観光客が憎いんでしょうか」
「観光客に持ち帰ってほしくない忘れ物があるとか……?」
「なるほど、それを観光するまで帰れないですね」
 広い館の中に二人の靴の音だけが響く。まだ見ぬ、市長が妄執するほどの価値のある忘れ物に思いを馳せる。 34

posted at 19:31:59

7月31日

@decay_world

減衰世界@decay_world

_中は確かに無数のがらくたで埋め尽くされていた。それは進路を塞がずに積み上がっている。通路の先は魔力の闇に沈んでいた。
「誰かが並べているのかな」
 疑問に答えは無かった。がらくたは埃まみれで、あちこち蜘蛛の巣が張っている。豪華なシャンデリアもいまは光を灯すことは無い。 33

posted at 19:25:52

7月31日

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減衰世界@decay_world

_光源は広く普及する照明魔法で、初歩的な魔法の心得があれば簡単にガス灯とは比べ物にならないほど明るい光をもたらす。
 空中に浮遊した光球は術者の意識に従って追従する。デメリットは魔法の購入費くらいだ。
 二人は館の中の時が止まったような静寂に息をのむ。 32

posted at 19:20:11

7月31日

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減衰世界@decay_world

_遺失物の館は赤褐色のレンガが白い漆喰で固められた古い様式の建物である。ただ、それは増改築で見るも無残に歪められていた。
 玄関の扉は開いている。
「館は歓迎していますね」
 中は月明かりも届かないのでフィルは光源を浮遊させる。光源……光が宙に浮かび辺りを照らした。 31

posted at 19:14:50

2016年07月30日(土)15 tweetssource

7月30日

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減衰世界@decay_world

【用語解説】 【鉄条網】
棘のある鉄線。重飛来物防護の呪文によって大砲で陣地を破壊するのが困難となる戦争の中、呪文の抜け道である徒歩での侵入を止めるために多用される。敵兵も飛来物防護の呪文で銃弾を防ぎ鉄条網を処理しようとするが、防御側はそれを超える銃弾の雨を用意できるのである

posted at 20:54:46

7月30日

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減衰世界@decay_world

「邪魔されると本気になるタチでね。フィルもそうだろう」
「まあね」
 巨人の残骸を飛び越え、二人は館の敷地内に入る。
「せっかく道が開かれたしな、観光を始めようか」
 館は、暗い闇の中静かに久しぶりの客を歓迎しているようだった。 30

posted at 20:32:14

7月30日

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減衰世界@decay_world

_レッドはひしゃげた鳥籠の上に涼しい顔で立つ。
「おーい、フィル。大丈夫か?」
「無茶しましたね」
 フィルは離れた所から駆け寄った。緑のマフラーは再び首に巻かれている。破壊されたバリケード。これなら通れそうだ。日は沈み、完全に夜になっていた。
「派手にやったな」 29

posted at 20:26:32

7月30日

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減衰世界@decay_world

_激しい衝突音! フィルは緑のマフラーを手に戻しその場を離れる。巨人はそのまま倒れ、大きな音を立ててバリケードを崩壊させた。
 轟音の後にやってきたのは静寂だった。市長は落下の衝撃で気絶しているようだ。巨人は完全に壊れており、蒸気があちこちから噴出している。 28

posted at 20:18:23

7月30日

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減衰世界@decay_world

「それ、いただきますよ!」
 フィルの投げた緑のマフラーは鳥籠の隙間から操縦室に入りレバーに絡みつく! そしてそのままそれを引いた! 両手を振り上げたまま誤作動で足をじたばたさせバランスを崩す巨人。
「おりゃっ」
 飛び上がったレッドが鳥籠の上に足を振り下ろす! 27

posted at 20:14:26

7月30日

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減衰世界@decay_world

_市長は再びレバーを勢いよく引く! 巨人は両手を振り上げ、今度こそ二人を巨大な腕で押しつぶすかに見えた。
 一瞬の隙をついて、フィルは緑のマフラーをほどき投げつける! 同時にレッドは高くジャンプし舞い上がる!
 蝶の様に華麗な動きに市長は目を剥いた。
「何ッ!!」 26

posted at 20:06:19

7月30日

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減衰世界@decay_world

「終点ですよ、お客様。お忘れ物無きよう……」
 フィルとレッドはバリケードの前に追い詰められた。目の前を塞ぐ機械仕掛けの巨人。沈む太陽。籠の中で市長が狂ったような笑みを見せる。
 レッドは牙をむいて笑い返した。
「生憎俺らの旅は乗り継ぎ先が待ってるんだ」 25

posted at 20:00:28

7月30日

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_遺失物の館は大通りの突当たりにあった。増改築を繰り返したつぎはぎの巨大な建築物。アンシンメトリーのシルエットは枯れ木のようだ。たしかに鉄条網と鉄板のバリケードが築かれ完全に封鎖されている。
「ありゃ、行き止まりか」
 ズシズシと背後から巨人の足音が聞こえた。 24

posted at 19:55:28

7月30日

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減衰世界@decay_world

_市長はレバーを引き足で踏みつぶそうとする!
「忘れ物を取りに来たんだろう。させんからな!」
 フィルとレッドは足を潜り抜け脱出し、通りを駆ける。
「手荒い歓迎です。大人気ですね」
「スターになったみたい♪」
 真っすぐ逃げると、ガイドブックで見た景色があった。 23

posted at 19:50:34

7月30日

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減衰世界@decay_world

_両手を振り下ろす! 大きな音を立てて入り口が粉砕され、2階建の宿は崩れる。巨体から蒸気が噴き出し、辺りを白い霧で包んだ。
 市長は巨人の足元を見下ろす。そこに滑り込んで難を逃れた二人と目が合った。
「超特急の切符持ってないんでゆっくり時間をかけて徒歩で行きます!」 22

posted at 19:45:22

7月30日

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減衰世界@decay_world

_彼が市長だというのか。纏うスーツは確かに高級そうだ。宿の玄関を塞ぐ巨体。フィフィフィと機械の駆動音。
「あのー、僕たち帰ろうと思ってるんですけど」
「超特急で送ってやるよ、魂の帰る場所にな」
 市長がレバーを勢いよく引く。巨人は唸りを上げて両手を振り上げた! 21

posted at 19:39:20

2016年07月29日(金)15 tweetssource

7月29日

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【用語解説】 【センサー】
探知の呪文は術者から遠く離れると効果を失うが、電線やレンズなどによってその知覚範囲を延長させることが可能である。これは望遠鏡によって遠くを見れることと似ている。センサーのみで効果を発揮することはできず、魔法を使う術者かエンジン設備が不可欠である

posted at 22:07:12

7月29日

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_宿の外には蒸気を噴き出す機械の巨人が立っていた。巨人は真鍮の部品がむき出しになっていて首は無く、首の代わりに鳥籠のようなものがあった。鳥籠の中でレバーを操作しているのは、黒ひげにスーツの男だ。
「随分と大きな……従業員さんだこと」
 レッドは見上げて、そうつぶやいた。 20

posted at 21:58:48

7月29日

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「客が来るのを監視しているんでしょうか。でも従業員が来ないってことは……」
 地響きはだんだん大きくなっていき、何かが宿の入口に大きな影を作る。フィルとレッドはゆっくりと振り返った。
「ようこそ観光客の皆さま……市長です。地獄へのチェックインがまだのようですな!」 19

posted at 21:54:32

7月29日

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「レッド、見てください、あの天井」
 天井の板の隙間に、節穴のようなものが一つ開いていた。レッドがそれをよく見てみると……レンズのようなものが覗いていることがわかる。
「何かのセンサーかな? なんでこんなところに」 18

posted at 21:47:20

7月29日

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「潰れちゃったのかな」
「客いないもんね……」
 彼らが真っ暗なフロントで宿の従業員が来るのを待っていると、ズシンズシンと大きな音がした。
「熊でもあばれているんででしょうか……ん?」
 フィルは宿の天井にある何かに気付く。 17

posted at 21:43:58

7月29日

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_商店街を抜け、大通りへ。二人は近くに小さな宿を見つけた。異様なほど活気が無い。観光客が来ないのだから当然だろう。
「あのう、すみませーん」
 誰もいないフロントでレッドは声を上げる。返事は無い。代わりにネズミが天井裏で走る足音が聞こえた。 16

posted at 21:38:31

7月29日

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「僕たちはどうしようかね」
「命をかけることも無いし、まぁ今回は残念だけど諦めようか」
「不発に終わるのも観光だね」
 フィルとレッドはとりあえず近くにある宿に泊まることにした。もうすぐ日没だ。ノープランで街をぶらつく。蝙蝠が素早く頭上を旋回した。 15

posted at 21:33:21

7月29日

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減衰世界@decay_world

_3人は挨拶を交わした。この青年はカラールという名で、遺失物の館を訪れるため長い旅をしてきたのだという。彼には大切な失くした物があったらしい。
「僕は諦めない……どんな手を使ってでも取り戻します」
 そう言ってカラールは去っていった。助けはいらないと言い残して。 14

posted at 21:27:54

7月29日

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「悪いことは言わん、市長は本気なんだ。殺されちまうぞ……忠告はしたからな」
 男はそう言って路地裏の奥に消えていった。何が起こったかは分からないが、これは本当のことだろう。フィルは青年に声をかける。
「あなたも観光客なのですか? 参りましたね」
 青年は黙って頷いた。 13

posted at 21:23:52

7月29日

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_旅人なのだろうか、青年はボロボロのマントを着ていて姿は少しみすぼらしい。頭には色あせた灰色のターバンを巻いている。
「そんな、嘘でしょう。僕は館に行くためにここまで来たのに……」
 青年は男に歩み寄る。その声は震えていた。 12

posted at 21:19:17

7月29日

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「えっ、じゃあ遺失物の館は……」
「当然閉鎖されているぞ。近寄ることはお勧めできないし……何よりバリケードが築かれている」
「なんだって!」
 不意に第3者の声が聞こえた。振り向くと、路地裏の入口に青年が立っていた。痩せた犬が驚いて走り去る。 11

posted at 21:14:56

2016年07月28日(木)16 tweetssource

7月28日

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【用語解説】 【人類帝国の版図】
人類帝国に皇帝は存在しないが、無数の都市国家を支配する権力を持っていることから帝国を名乗る。これは旧エシエドール帝国が成し遂げた支配体制をそのまま受け継いだもの。実質的な本土は超巨大都市「帝都」のみであり、植民地を抱える大英帝国のイメージに近い

posted at 21:04:52

7月28日

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「おたくら観光客だろ、悪いことは言わない、今すぐこの街から出るんだ。俺は以前この観光案内所で働いてたもんだ。いまはかなり事情が違う……観光客狩りが行われているんだ。市長自らな。命が惜しけりゃさっさと逃げたほうがいいぜ」 10

posted at 20:57:47

7月28日

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「あのう、すみませ……」
 フィルが声をかけると、男は口に指をあて黙れのジェスチャーをして、やはり陰から手招きを続ける。
「事情ありそう」
 フィルとレッドは顔を見合わせ、男のもとへ行ってみることにした。男は二人を路地裏に誘い込み、小声で囁いた。 9

posted at 20:50:28

7月28日

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_二人はしばらく街を歩く。商店街の隅、ボロボロになった観光案内所を見つけた。入口が完全に板で封鎖されている。
「おいおい、年越し休業にはまだ早いぜ」
「奇妙ですね……いくらなんでも」
 ふと気付くと、陰から黙って手招きしている男が見える。暗いスーツを着て労働者風の佇まい。 8

posted at 20:45:26

7月28日

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_街は木造の家が多く、雪に耐えられるようにした角度の急な屋根が特徴的だった。小さな窓も冬支度が終わり、雪で割られないよう木の板で補強されている。
「観光名所だというのに屋台の一つも見えない……」
 レッドは残念そうに街を見渡している。開いている店すら見当たらない。 7

posted at 20:40:04

7月28日

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「普通は東の方からモスルートに行っちゃうひとが多いですから。わざわざ西からモスルートに入る僕らみたいなひとはこの街に用がなけりゃ来ないですよ」
 フィルは手を擦り合わせて寒そうにしている。商店街を突き抜けるように寒風が過ぎていき、風の音しか聞こえない。 6

posted at 20:34:05

7月28日

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_レッドは通行人の少ない商店街で呟いた。青いコートと緑のマフラーを着込むのはフィル、赤いコートと茶色のマフラーを身につけるのはレッドだ。フィルは背が高く、レッドより痩せているように見える。
 野良犬が餌を求めて右から左へ歩いて行った。 5

posted at 20:29:28

7月28日

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_ちょうど冬に差し掛かる木枯らし吹く11月だった。観光客のフィルとレッドはコートを羽織り、忘却の街の大通りにいた。通りかかるひとの少ない、寂れた大通りに。
 固く扉の閉ざされた商店、営業しているのか分からない喫茶店。
「さすが穴場観光名所。いい感じに寂れているね」 4

posted at 20:24:44

7月28日

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_観光客はそのがらくたを自由に持ち帰っていいことになっている。それならばいつかがらくたが無くなってしまいそうなものだが、いくら観光客たちががらくたを持ち帰っても尽きることはなかった。
 毎年少ないながらも観光客が訪れ、それぞれ大切なものを取り戻していった。 3

posted at 20:20:11

7月28日

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_その館は遺失物の館と呼ばれ、増改築を繰り返した館の中に無数のがらくたが納められていることで有名だった。不思議なことに、その館を訪れた観光客は納められたがらくたの中に昔失くしてしまった大切なものを見つけるという。 2

posted at 20:16:02

7月28日

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_灰土地域の北方には知る人ぞ知る観光名所があった。人類帝国に服属する都市国家で、その街は忘却の街と呼ばれる。
 交易路から外れ交通の便もなく、多くの観光客が来るような街ではない。だが、その街を訪れることを熱望するものは少なからずいた。その街には巨大な館があった。 1

posted at 20:11:16

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