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@decay_world

減衰世界@decay_world

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2016年06月30日(木)16 tweetssource

6月30日

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減衰世界@decay_world

【用語解説】 【ダンジョン内占拠】
冒険者が一人、あるいは複数でダンジョンに住み、様々な難癖をつける行為。一応合法だが、嫌われる行為ではある。ダンジョン内の魔力は晶虫等の営みで急速に枯れていくので労力の割に合わない一方、枯れた後も占拠を続け、再び魔力が満ちるのを待つ強者もいる

posted at 20:40:13

6月30日

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減衰世界@decay_world

「探しものって、ひょっとしてこれ?」
 取り出したのは手のひらサイズの宝箱。それを開けるレッド。中に入っていたのは……金色に輝く一枚のメダルであった。
 それを見たゼイラは目をむき、震える手を伸ばす……。 20

posted at 20:33:37

6月30日

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減衰世界@decay_world

「6年間……一つとして見たことはない……」
 泥と地下水の混ざった地面に腰を下ろし、ゼイラはうなだれた。目の前がぐらぐらする。それは宝箱めがけて走ったせいだろうか。
 それを見たレッドは宙をしばらく見たあと、ポケットに手を入れた。何かを取り出す。 19

posted at 20:29:02

6月30日

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減衰世界@decay_world

「知らんのも無理はない。あまりにも希少すぎて、一般には知られていない。だからこそ、ワシはその魅力に憑りつかれた。そしてダンジョンに住み着くようになって、6年がたつ……」
 ゼイラは泥で濡れた宝箱を開く。しかし、中は空だった。 18

posted at 20:24:24

6月30日

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減衰世界@decay_world

「ワシは、憑りつかれているのかもしれんな……少し、話を聞いてくれんか?」
 宝箱を抱えたまま、じりじりとフィルとレッドに近寄るゼイラ。
「宝箱の中に、ごくまれに現れるという伝説の宝物。その名は、ベルベンダインのメダル……」
 フィルもレッドも顔を見合わせて首をひねる。 17

posted at 20:17:43

6月30日

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減衰世界@decay_world

_ダンゴムシのような晶虫を踏みつぶし、ゼイラは鍾乳石の陰の宝箱にしがみついた。地下水が彼の背中にぽとぽとと落ちて、ぞっとする感触を与える。
 ゼイラ自身にも、違和感を覚えさせた。きょとんとした目で見る二人の青年。
「そ、そんなに……」 16

posted at 20:12:54

6月30日

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減衰世界@decay_world

_ダンジョンに宝箱が生まれる理由。多様な説があるが、大体は世界を創造した神の楽しい記憶が魔力の濃い場所に箱の形になって創造される、という大まかな原理は意見が一致している。
 宝箱はある日突然、ダンジョンのどこかに、ぽつんと転がっているものだ。 15

posted at 20:05:17

6月30日

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減衰世界@decay_world

「名は何という?」
「僕はフィルです。こっちの控えめな方はレッド」
「何がだよ……あ、宝箱」
 背の低いレッドの視線の先、鍾乳石の陰に宝箱があった。ゼイラの目の色が変わる。
「ワシのだぁ!!」
 鎧をガシャガシャ鳴らして走るゼイラ。 14

posted at 20:00:22

6月30日

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減衰世界@decay_world

_ダンジョンの冷たい空気に、吠えるゼイラの白い吐息だけが空回りしている。まるで草木に威嚇しているような、全く手ごたえのない応対。ゼイラは尋ねる。
「素直だな。お前ら。何者だ? 何しにここへ来た?」
「僕らは観光客です。当然、観光に来ました」
 長身の方が答えた。 13

posted at 19:54:40

6月30日

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減衰世界@decay_world

「いいか? ここではワシがルールだ」
「はいはい」
「宝箱を見つけたら、すべてワシによこせ」
「いいよ」
 ダンジョン内で縄張りを主張することはよくある。大抵通行料をせびったり、収穫をピンハネしたりする。縄張りを守るためにダンジョンに住み着くことにはなるが。 12

posted at 19:49:17

6月30日

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減衰世界@decay_world

「よこせ!」
 ゼイラは二人の青年から宝箱を強奪する。背の低い方の青年が肩をすくめて降参のポーズ。抵抗も物言いもなかった。彼らは宝箱に興味が無いのだろう。ゼイラはそう判断する。
「ここはワシの縄張りだ。勝手な真似は許さんぞ」
「はいはい」 11

posted at 19:44:55

2016年06月29日(水)17 tweetssource

6月29日

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減衰世界@decay_world

【用語解説】 【鉈】
武器といえば鉈やメイスなど。ナイフや刺突剣などは珍しい。これは飛来物防護の魔法を応用した衝撃消散の魔法の影響である。この魔法は慣性を殺す効果を持ち、攻撃は肌の直前で静止する。ただし、重量が効果より重ければこの防御を突破できる。それで重い武器が人気なのである

posted at 21:07:47

6月29日

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減衰世界@decay_world

_地下水が流れ、泥が積もる鍾乳洞の地面を歩いたはずの革靴は全く汚れず、ザイルや縄梯子、それらを固定するために使うハンマーなどの道具類が全く見当たらない。彼らは如何にしてここまで来たのだろうか。
 背の高い青年と背の低い青年が、宝箱を持って不思議そうにしていた。 10

posted at 20:56:43

6月29日

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「それはワシの……ワシのだー!!」
 ゼイラは血走った眼をしてわめき散らす。魔力の黒い霧の向こうから現れたのは……二人の場違いな青年。戦闘素材で作られたわけでもない普通のトレンチコートを着ていて、肌寒い洞窟にぴったりなマフラー。 9

posted at 20:52:07

6月29日

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減衰世界@decay_world

「あっ、宝箱」
 若い男の声がした。それを聞いた瞬間、釣り針を引き上げて岸辺に釣竿を放り、ゼイラは駆けだした。魔力の作った闇に向かって全速力で走る! 地下水の溜った地面をバシャバシャと踏み荒らす! 白い半透明のイモリが逃げていった。 8

posted at 20:47:17

6月29日

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_次の彼の仕事は釣りだ。地下水の溜った地底湖で釣りを行う。地底湖での素潜りは自殺行為だ。複雑に入り組んだ洞窟、光の届かない闇の水底。それらが泳者を死に誘う。
 釣りをしていると、背後から声が聞こえた。振り向くゼイラ。魔力の粒子のせいで照明があるはずの通路の先は闇に沈む。 7

posted at 20:42:14

6月29日

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減衰世界@decay_world

_彼の家はダンジョンの中にあり、塩などの必要なものは冒険者と物々交換で手に入れる。もちろん、偶然塩を持っている者もいないので、仲間の冒険者に持ってきてもらう代わりに、彼らの欲しいものをこちらも探す。
 釣り竿を手に取る。ゼイラは食べられない肉片を壺に入れ、再び家を出た。 6

posted at 20:35:51

6月29日

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減衰世界@decay_world

_食べられる肉と、食べられない肉に切り分ける。どちらも使い道がある。食べられる肉は壺で塩漬けにした。
(今日はいい日だった。獲物さえ取れない日もある。今の俺は絶好調だ……)
 自分に言い聞かせるような心の声だった。実際にはまったく満足などできていない。宝箱がハズレだったから。 5

posted at 20:31:05

6月29日

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_家には入らず、隣の作業場に向かったゼイラ。彼が背負っているのは、化け物の死体だ。作業場にもやはり鍾乳洞の地下水が流れており、これで余分な汚れを洗い流すことができる。
(メシが獲れただけでもいいか)
 ゼイラは毛むくじゃらの化け物を鉈で解体し始めた。 4

posted at 20:24:57

6月29日

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_光源の魔法が電球のようにあちこちを照らす。これはゼイラが用意したものだ。ゼイラは身の回りのことを全て自分でやった。
(今日もダメだったか……)
 ゼイラの足が止まる。見上げるのは、彼の家だ。巨大甲虫の殻を加工して作ったドーム型の家。 3

posted at 20:20:53

6月29日

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減衰世界@decay_world

_鍾乳洞型のダンジョンはあちこちから地下水が染み出している。地面は川のようになっており、酷く滑りやすいがゼイラには問題なかった。滑り止めの施してある冒険長靴。ゼイラは冒険者だ。金属片を繋ぎ合わせたラメラーアーマーがガチャガチャ鳴り、鉈は獲物を狙う牙のように光る。 2

posted at 20:15:03

6月29日

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_ゼイラは宝箱を開いてため息をついた。中に入っていたのはガラクタばかり。割れた陶器だとか、腐った巻物だとか、汚れた食器だとか。ゼイラは徐に立ち上がって、髭だらけの顎を撫でた。宝箱を蹴り飛ばし、ダンジョンの奥に向かってさらに進んでいく。地下水の跳ねる足音が続く。 1

posted at 20:11:19

2016年06月28日(火)2 tweetssource

2016年06月27日(月)18 tweetssource

6月27日

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【次回予告】
冒険者のゼイラはダンジョンに暮らして長い。彼の目的はただ一つ。ひたすら、宝箱を探して開ける……どれもこれも、ハズレばかりだ!! そんなとき、不思議な二人組が現れて……

次回「宝箱探しを終わらせてやった!」

全50ツイート予定。実況・感想タグは #減衰世界 です

posted at 21:31:31

6月27日

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【用語解説】 【生きている道具類】
生きている金属である魂鋼を素材にする、またはエンジンを組み込み疑似的な感情を与えることで生きている道具を作り出すことが可能である。利点は自分で動くため重い道具の移動が楽、魔法を行使させる、話せるので寂しくない、などがある

posted at 21:24:33

6月27日

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_静かな森の中、秋の気配。そこにクッキーの甘い香りが漂い……それは少年の心にいつまでも残っていた。 50

posted at 21:17:55

6月27日

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_持ってきたクッキーを老騎士に差し出すルムルム。突然のことで思わず身を引く老騎士だったが、すぐにクッキーを受け取って、兜のバイザーを開き食べる。
「うむ、うまい」
「だよね。僕のクッキーは消えたりしない。騎士になっても、クッキーはクッキーのまま、僕の中に残り続ける」 49

posted at 21:12:27

6月27日

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_ルムルムは老騎士の隣で作業を続ける。それらは全て、老騎士に教えてもらったもの。同じ手順。
「お爺が示してくれる。僕がそれを真似る。これって人間の感情の伝染と同じだよね。だから、お爺は笑っていてほしいな。謝るのはいいよ」
「そうか、すま……いや、謝るのは無しか」 48

posted at 21:05:52

6月27日

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「いいのか? ワシが押し付けた騎士を……」
「いいや、違うよ。押し付けたんじゃないよ」
 そう言ってルムルムは作業の手伝いを始める。装備を分解し、一つ一つ部品をチェックする。
「騎士の姿を、示してくれたんだよ。お爺は。今まではそれが眩しくて……」 47

posted at 21:00:48

6月27日

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_ルムルムは老騎士の隣、同じく荷台の縁に座る。そして、言葉に詰まった老騎士の代わりに宣言した。
「お爺、僕、騎士になるよ」
 老騎士の作業の手が止まる。ルムルムは秋の森を眺めながら彼の言葉を待った。秋は時間がゆっくり流れるように感じる。 46

posted at 20:55:56

6月27日

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_老騎士はいつものように荷台の縁に腰かけ、装備のチェックをしていた。分解し一つ一つ点検している。老騎士の姿はいつもの鎧兜である。くすんだ銀の鎧。顔に赤いザリガニが張り付いた意匠の兜。小手は外して、作業用の手袋にかえている。
「ルムルム、あれからよく考えたんだが……」 45

posted at 20:51:36

6月27日

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_ルムルムは老騎士の下へ向かう。森の空気は涼しく、冬へと向かう秋の気配が色濃い。虫が鳴く。鳥たちも歌う。ルムルムの足取りは軽かった。
「お爺、呼んだ?」
 今回は、自分から声をかけた。武器、資料、物資の集積地。馬車の止まる場所。 44

posted at 20:46:31

6月27日

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_クッキーは予想に反してちょうど焼けたところのようだった。匂いを嗅ぎつけたのか長身の女騎士がふらふらと現れた。
「ルムルム、クッキーちょうだい」
「セリマさんもお茶にしましょう」
「残念。あなた、お呼ばれだよ。お爺が呼んでる」 43

posted at 20:40:51

6月27日

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_四足の生えたオーブンは大人しく座っている。その前にはルムルム。そして変異術師の女。ウェーブがかったしっとりした髪の妙齢の女性だ。
「そろそろ焼けましたかね?」
「見てみる。今日は寒いからまだかも」
 手早くオーブンを開けて確認。 42

posted at 20:33:55

6月27日

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_ザリガニ騎士団の森での滞在はそろそろ終わりに近づいていた。長く続いていた交渉が終わり、近くの村で崇められていたアーティファクトをとうとう譲ってもらえることになったのだ。対価は惜しみなく払った。
 気の早いものは片づけを始める野営地に、甘い香り。 41

posted at 20:28:15

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