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@decay_world

減衰世界@decay_world

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2016年04月30日(土)16 tweetssource

4月30日

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減衰世界@decay_world

【用語解説】 【冷房】
魔法によって空気を涼しくする。基本的に魔法は人間の感情が高ぶったときにしか発動せず、機械的に魔法を利用するためにはエンジンという設備が必要になる。つまりエンジンは疑似的に人間の感情を再現する仕組みが備わっており、気分によって弱冷房から強冷房までブレる

posted at 16:36:56

4月30日

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減衰世界@decay_world

_釈然とせず、むすっとしてみせるメアレディ。
「ハハッ、そうむくれるな! ワシが信頼されていると同じくらい、お前も信頼されているんだよ。あいつはこういう状況になることを分かってワシに頼んだんだ」
 外の庭木のセミが遠く鳴いている。メアレディは、了承するほかなかった。 20

posted at 16:29:01

4月30日

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減衰世界@decay_world

_メアレディは呆気に取られて、紅茶を零しそうになる。
「そんなの護衛でも何でもないじゃないですか! これなら冒険者5人の方がよっぽど役に立ちますよ」
「文句はミクロメガスに言え。采配の責任は全てあいつにある……ま、ワシを信頼しているんだろうな」 19

posted at 16:22:41

4月30日

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_アルコフリバスは紅茶をお代わりしながら続ける。
「ワシの提示する作戦はこうだ。お前一人で潜入する。ワシは街のどこかで待機している。お前がテロリストの中枢に辿り着いたとき、ワシに向かってテレパスを送れ。転移なら得意だ。0.1秒もたたずに駆けつける」 18

posted at 16:17:05

4月30日

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「まぁまて。仕事は請け負おう。ただし、同行はできない。ワシのクソ魔力がクソ強すぎて、恐らくテロリストのクソ警戒網に引っかかるだろう。完全武装の重火器を見せびらかして潜入するようなものだ。それにワシは探知が苦手だ。お前がどこにいるかすら、遠くからでは分からん」 17

posted at 16:12:06

4月30日

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_話が長くなりそうな気配を察して、メアレディは話題を変える。
「まぁ、本題に入りますが、今回はわたしの護衛ということで、作戦を共に……」
「それはできんな」
「え?」
 さっき了承されたと思っていた彼女は面食らう。 16

posted at 16:07:16

4月30日

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「ミクロメガス様のこと、よくご存じなのですか?」
「あいつとは長い付き合いだ。1000年……いや、2000年か? 最初に会った頃から、あいつは女を侍らせていた。知ってるか、魔竜アンドリュー・レイスと一戦を交えたこともあるぞ。二人でボロボロになって逃げたっけなぁ……」 15

posted at 15:57:28

4月30日

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「そういえば女、見ない顔だな。新人か?」
「メアレディです」
「ふん……あいつは、結構人を見る目があるな。いつも感覚で選ぶくせに」
 勝手に値踏みされて、勝手に評価されてうんざりしてきたが、メアレディは笑顔を崩さない。あの柔和なミクロメガスの友人とは思えなかった。 14

posted at 15:51:53

4月30日

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_アルコフリバスは上機嫌になってソファにふんぞり返り、紅茶を飲む。
「あの小僧、俺がいないと何もできないな! 冒険者の5人でも雇った方が早いのに、俺を頼るとは可愛いものよ」
 冒険者一人でも相当な戦力だ。それが5人分とは、大した自信だとメアレディは思う。 13

posted at 15:42:53

4月30日

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_紅茶を持ってきた彼に対して、早速状況を説明するメアレディ。今回は、メアレディの護衛を頼んだ。そしてもちろん、見返りも用意してある。かねてよりアルコフリバスが欲しがっていた、ミクロメガスの魔法物品を譲るという。
「奴もとうとう折れやがったか、ハハ」 12

posted at 15:37:36

4月30日

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減衰世界@decay_world

_アルコフリバスはメアレディを屋敷の応接間に通した。恒常的に冷房がかかっているのか、中はひんやりとしている。
「紅茶とコーヒー、どちらが好きかね?」
「紅茶でお願いしますわ」
 手早く紅茶を淹れるアルコフリバス。 11

posted at 15:30:27

2016年04月29日(金)17 tweetssource

4月29日

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【用語解説】 【詰襟】
帝都の魔法使いの流派の一つ、五芒星派のスタイルである。学生服のような詰襟に、五芒星が縫われた白い手袋、同じく五芒星の縫われた帽子を被り、視界を垂れ布で遮る。女子はスカートにタイツやスパッツを履く。スタイルとしては秘密主義で穏健派が多い(例外も多い)

posted at 18:18:04

4月29日

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「ワシに用かね? ワシがアルコフリバスだ、クソ客が!」
 まるで虎のように笑う。メアレディはスカートをつまみ、一礼した。
「これは失礼しました。クソ客のメアレディです。クソ暑い日に、ご迷惑をお持ちしました」
 そして彼女も笑ったのだった。 10

posted at 18:09:35

4月29日

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「くそっ、天気が良すぎる。クソ暑いぞ、くそ、汗だらけだ、クソが!」
「あなたもアルコフリバスさんにご用かしら」
 すると、その男は急に上機嫌になった。赤と黒の豪華なスーツを、クソ暑いのに几帳面に着こなしている。あごには山羊のような白い髭。オールバックの白髪。 9

posted at 18:04:36

4月29日

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_大きな庭のある豪邸の、広い駐車場に車を停める。そして、メアレディは車から降りて一人で邸宅に向かって歩いた。庭木が眩しく緑に輝き、芝生には一つもムラが無い。
「几帳面な人なのかしら」
 そのとき、彼女の背後から怒りながら歩いてくる者が。 8

posted at 18:00:04

4月29日

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_今回仕事を頼むのは、ミクロメガスの友人だという。名はアルコフリバス。ミクロメガスの友人は少ないので、会ったこともない友人となると珍しいな、とメアレディは思った。
 メアレディの蒸気乗用車は白銀ランプ街の住宅地へと向かう。燦々と照り付ける太陽が車内温を上げる。 7

posted at 17:54:59

4月29日

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_もちろん、ミクロメガスの部下には殺し合いが大好きでたまらない女もいる。ところが、丁度その暗殺者二人が夏休みの休暇中だったのだ。直前まで大きな仕事に専念していて、疲れも大きい。もう一人の部下は事務仕事がメインのため、仕方なくメアレディの出番となった。 6

posted at 17:47:58

4月29日

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_必要な情報を体内のシリンダーに収めた後、メアレディは車で協力者の下へ向かった。メアレディの戦場は社交界だ。殴る、蹴る、魔法を放つなどの荒事は苦手である。そして、それはミクロメガスも同じだった。これから会うのは、殴る、蹴る、魔法を放つ専門家である。 5

posted at 17:42:29

4月29日

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_しかし、今回は勝手が違った。裏ルートから帝都を脅かすテロリストの情報が入ったのだ。そこで、潜入も得意とするメアレディに白羽の矢が立った。
「まーた盗賊ギルドの抗争ですか、縁を切ったらいいのに」
「それがなかなか難しい話でね……」 4

posted at 17:36:54

4月29日

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_メアレディは真っ黒なドレスを身に纏った、教導院には場違いの貴婦人だ。長い髪を纏めて綺麗に編んでいる。口元に覗くのは、吸血鬼の特徴である巨大な犬歯。
 彼女はミクロメガス直属の部下の一人で、今日もまた彼から仕事を引き受けるところだ。大抵は社交界でのロビー活動を依頼される。 3

posted at 17:29:45

4月29日

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「これは僕個人に関する因縁さ」
 視線の先には、クソ暑そうな詰襟をきっちりと着こなすミクロメガスがいた。彼とメアレディのほかには、この部屋に誰もいない。だからこそ、メアレディは社交界で被る仮面を脱ぎ捨ててスカートをばっさばっさしているし、口調だって荒い。 2

posted at 17:24:17

4月29日

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_メアレディは分厚いスカートをばっさばっさとはためかせて、脚に滲んだ汗を乾かした。この教導院という建物は空調が効いておらず、サウナのように熱い。天井にジャイロが回り、空気を混ぜているが気休めだ。
「で、どうして教導院がテロリスト退治なんかしなくちゃいけないわけ?」 1

posted at 17:18:22

2016年04月28日(木)16 tweetssource

4月28日

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【次回予告】
吸血鬼のメアレディはクソ暑い夏の日に、とある仕事を任される。盗賊ギルドのアジトへの潜入と言う危険な仕事だ。しかし、協力者の魔法使いはなんだかとっても非協力的で……。

次回「このクソ暑い日にあなたの力を借りたい」

全60ツイート予定 #減衰世界

posted at 18:23:55

4月28日

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【用語解説】 【転移の呪文】
テレポートを行う魔法。移動距離や効果の制限などでいくつも種類がある。便利だが、便利すぎる故、犯罪者があっという間に逃げていく。テレポートを妨害する魔法物品もあるが、魔法権利の侵害なので特殊な施設のみ設置された。転移追跡の呪文である程度は追いかけられる

posted at 18:19:06

4月28日

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「ワインがまだ余っている。少し飲まないか?」
「え?」
 マヤーはメルヴィの手を引き、笑った。なんとも機嫌が良さそうだ。
「事件解決を宣言してもいいが、何ともしまらない最後だ。ワインを飲んでからでも、遅くないであろう?」 100

posted at 18:13:08

4月28日

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_列車が停車した。マヤーはコートを翻し、拘束されているメルヴィを客室の外に出した。
「今回の事件は大失敗だ。クレメルが動かなければ、解決する手段などいくらでもあったが、手を打つのが遅ければすべては無意味だ」
「あ、ありがとうございます」
 礼を言うメルヴィ。 99

posted at 18:05:11

4月28日

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_これからも善く生きるために、馬鹿なことを繰り返すだろう。失敗も、山ほどするだろう。前途多難を予感させたが、クレメルは不幸ではなかった。むしろ、心地よい達成感を得ていた。
 クレメルは夜の街の、光に向かって歩き出す……。 98

posted at 18:00:15

4月28日

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_家主に見つからないうちに、馬小屋を後にする。列車から遠く離れた、中規模の都市国家の夜景が目の前に広がっていた。また振り出しに戻ってしまった。高価な列車のチケットも、無駄になってしまった。
「マヤー、今回は俺の負けだよ」 97

posted at 17:54:13

4月28日

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_気が付いた時には、クレメルは薄汚い小屋の藁の中に突っ込んでいた。引き払ったはずの、彼のアジトだ。今では馬小屋になっているらしく、大きな獣の気配がする。
 一瞬で長距離を移動する、帰還の呪文だ。帰還ポイントを決める必要があるが、通常のテレポートを超える距離を移動できる。 96

posted at 17:49:15

4月28日

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「最初はみんな、下手なのだよ。一つずつ積み重ねて、少しずつ覚えていくのだよ」
 マヤーは最後にそう伝えた。クレメルの姿も消える。テレポートだ。そうするしかなかった。クレメルだって、素性を調べられたら危ういのは同じだった。
「さよならだ」 95

posted at 17:48:43

4月28日

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_言葉は続く。列車が次の停車駅を告げる。
「俺は、下手だったんだ。善いことをするのに、慣れていなかったんだ。当たり前だよ、今まで善いことなんて一つもしてこなかった。だから俺は、ダメなんだ。生き方が、急に下手になっちまったんだ」 94

posted at 17:38:54

4月28日

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「聞いてくれ、俺は今まで外道の道を歩いていた。けれども今更、善人を目指して、帝都で仕事を探そうなんて思ってさ……いままで一度だって善いことなんてしたことが無い。未知の世界だった。未経験のまま仕事場に就いた新人のように」 93

posted at 17:32:37

4月28日

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_マヤーは後ろからクレメルの腕を掴んだ。振り返るクレメル。電気の明かりに照らされたマヤーの顔は、どこか寂しげだった。
「馬鹿だな、自供したら、もう捕まえるしかない。今更嘘だなんて、無理だぞ」
 クレメルは、マヤーの腕を掴み返す。 92

posted at 17:27:00

4月28日

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_詐欺師の中年女性はちらりと乗務員の顔色を窺う。彼女の判断は早かった。一瞬にして、テレポートによって中年女性の姿は跡形もなく消えた。
 もはや言い訳も、説得も、無意味と判断したのだろう。どうせ示談金は望めなかった。 91

posted at 17:21:44

2016年04月27日(水)16 tweetssource

4月27日

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【用語解説】 【自白】
魔法による支配はあらゆるものを変えていった。証拠など魔法でいくらでも消せるし、強力な探知魔法に引っかからなければどうすることもできない。結果、犯罪において自白が魔法の次に重視される社会となった。精神の支配による冤罪もあるが、対策しない方が間抜けという話だ

posted at 18:42:50

4月27日

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_もちろん大嘘だ。しかし、メルヴィは確実に助かる。そして詐欺師の計画も丸つぶれ。クレメルが自供している以上、中年女の素性を調べないわけにはいかない。調査が長期化し、張りぼての仮面などあっという間に剥がれるだろう。
 クレメルに、後悔はなかった。 90

posted at 18:34:30

4月27日

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_クレメルは不敵に笑う。
「決まってんだろ、仲間割れだよ。たんまり示談金が取れると思ってたのに、実際には上手くいかず、このまま一銭も稼げずに終わりだ。こんなアホな計画立てたうえ、俺の取り分は少ない。ひと泡吹かせようってわけさ」 89

posted at 18:26:02

4月27日

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_秘匿性の高いペンダントの鎖のせいで、あらゆる証拠に乏しく、自供した以上それを信じるほかない。そして、丁度良くメルヴィは無実を訴えている。
 痩せた中年女は怒り狂う。
「大体そんなことしてアンタに何か得でもあるの!? 自首なんて、支離滅裂じゃない!」 88

posted at 18:16:48

4月27日

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「血迷ったの!? なんで無関係のあんたが私を巻き込もうとするの! こんなのおかしいわ! この狂人をどこかへ……」
「俺の自供は筋が通っているだろう。あんたは、この論理を覆せる証拠を持っているのかよ」
 持っているわけがない。 87

posted at 18:10:27

4月27日

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「な、何を……」
「手口はこうだ。そこの中年女性と口裏を合わせて、標本のシルフを覚醒させ、ペンダントを探知されなくする。そして俺が、メルヴィのバッグにペンダントの鎖をいれる。後はそこの女が示談を迫る。そういうことだ」 86

posted at 18:03:01

4月27日

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「証拠の一つも無しに、いい加減なことをいうもんじゃないよ!」
 中年女性が慌てて口を挟む。クレメルはにやりと笑った。
「証拠……? 何を言っているんだ。俺が今から自供するんだよ。俺が……今回の事件の真犯人だ!」 85

posted at 17:55:30

4月27日

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「真犯人は、別にいる!」
 クレメルは突然宣言する。一同は、唖然として一歩も動けなくなる。クレメルは振り向かなかった。マヤーはどんな顔をしているだろうか。呆れているだろうか。悲しんでいるだろうか。しかし、クレメルに後悔は無かった。 84

posted at 17:49:10

4月27日

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_彼女の手を振りほどいて、メルヴィの尋問が行われている場所へとたどり着いた。クレメルは辺りを見回す。普通の個室が並ぶ客車。きょとんとした顔の乗務員3人。示談を迫っていたであろう、中年女性。客室の中から、メルヴィが不安そうに覗き返す。その長い耳は、犬のように伏せられている。 83

posted at 17:42:41

4月27日

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_クレメルにはひとつの力強い答えがあった。マヤーが動かないのならば、自分が動くしかない。のんびりとワインを飲んでいるマヤーを、クレメルはいまいち信じ切れなかった。そのせいもある。
「止まりたまえ」
 マヤーが制止する。 82

posted at 17:34:10

4月27日

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_車内アナウンスが中継駅への停車を予告する。クレメルは瞬時に決意した。席を立ち、力強く歩いていく。
「おいおい、どうしたというのだね」
 マヤーもクシュスも訳が分からず後を追う。食堂車を出て、メルヴィの拘束されている空き部屋前へ。 81

posted at 17:25:34

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