〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
いい朗読は聞いていると読み手の声や読み調子などは忘れてしまうものだ。文字を読むときはことばから意味を理解するのだが、いい朗読は直接に作品の世界イメージが意識に飛び込んでくるのである。そして、時間を忘れて聞かされてしまう。聞き終わるとその作品を自分でも声に出して読みたくなるものだ。
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〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
いい朗読は聞いていると読み手の声や読み調子などは忘れてしまうものだ。文字を読むときはことばから意味を理解するのだが、いい朗読は直接に作品の世界イメージが意識に飛び込んでくるのである。そして、時間を忘れて聞かされてしまう。聞き終わるとその作品を自分でも声に出して読みたくなるものだ。
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〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
朗読するときのアクセントの学び方として、まず2音ないし3音区切りの深浅アクセントを先行させることだ。一区切りごとにアクセントがある。その決定に迷ったときに、アクセント辞典を参考にしたらいい。アクセントの間違いは単語レベルでは解決しない。2音ないし3音区切りごとの流れでの間違いだ。
posted at 19:03:52
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
朗読をする人たちの作品を見ていると、まだ作品紹介に重点が置かれているようだ。料理で言うなら、食材の紹介に留まっている。文学としてすぐれた作品で埋もれているものならばそれで勝負できるだろう。だが、同じ調理ばかりでなく、食材に応じた読み手のさまざまな料理の仕方を味わいたいのである。
posted at 18:59:34
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
有名な「外郎売り」の第2部分の記号づけである。高低アクセントの原理では早口というものがむずかしい。それは緊張と弛緩のリズムがないからだ。2音ないし3音区切りのバックビートに乗せて読んでいったらテンポ良く読むのはそうはむずかしくない。難しいのはこれを「語り」の表現として読むことだ。 https://pic.twitter.com/xVfJJn64xG
posted at 11:42:18
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
「外郎売り」の深浅母音による読み方の訂正版である。このような古い文体では高さアクセントはほとんど使わない。◎は2音ないし3音の後アクセントでありながら強くなる深母音のアクセントである。文字づらのことばを2音ないし3音ごとの区切りで読むことからバックビートのリズムが生まれるのだ。 https://pic.twitter.com/kaMaeLnDpk
posted at 08:02:36
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
朗読やアナウンスの訓練に使われている「外郎売り」も深浅アクセントの発声に切り替えるだけで見事な滑舌で読み上げることが可能になる。(2)と(3)の組合せで安定した発声になる。2音ないし3音区切りのバックビートが基礎だ。(1)深アク=(片仮名)(2)深止め=(平仮名)(3)高アク=片仮名(4)浅声=平仮名 https://pic.twitter.com/zTL4E59E1W
posted at 21:59:43
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
こんなすばらしい作家が埋もれていたことに驚ろかされた。長谷川修(1926-1979)の処女作「宿恋」は散文詩が20作品収録されている。長谷川の原点となる作品だ。まずは「胡桃―太古の原人」を読んでみた。わたしは梶井基次郎が長編を書いたらこんな風になるだろうと考えている。
https://www.youtube.com/watch?v=1B8xHo3dbqU…
posted at 19:37:51
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
ナショナル・シアター・ライブの映画「かもめ」の舞台の紹介をしたが、10年前にわたしも表現よみオーの会10周年記念でドラマリーディングをした。その経験を元に全台本の読み方の解説をした。これも『読書の教科書』(2019)の原理と方法にもとづく戯曲の読み方の実例である。
https://www.youtube.com/watch?v=iRIVO-lwpqs&list=PLZ2ebcJlIypp7TRtLGifImSVjwZv67rYe&pp=gAQB…
posted at 18:18:45
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
朗読の訓練でも演劇の訓練でもすぐれたものならば、あらゆる分野に通用する基礎を鍛えるものだ。単純化された訓練の技術も基礎となる原理がなければ孤立した技術の訓練に終わる。とくに声の訓練においては、からだ、動き、声、心という4者が統合されたときに意味を持つのだ。
https://amzn.to/3ZAwwdO
posted at 10:07:46
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
文章はかたちから読むものだ。文法や論理関係など総合的なかたちがある。タイルと目地という比喩が役に立つ。人はタイルに目を向けるが、それを支えるのは目地である。単語がタイルでかたちの手がかりが目地である。『読書の教科書』ではかたちから文章を読む方法を書いた。
https://www.youtube.com/watch?v=okZxfyQduxo&list=PLZ2ebcJlIypobx_syY5hHgXn1wF95tfRO&index=1…
posted at 10:03:31
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
三遊亭円朝「真景累ヶ淵(59-63)」は羽生村の名主・惣右衛門とお隅との物語である。浪人・安田一角とのいさかいを相撲取り花車重吉の仲介で救われる。その後また浪人・山倉富五郎が現れて、お隅をめぐって新たな策謀が起こされる。シェイクスピアを思わせる人情噺の古典である。https://www.youtube.com/watch?v=xzvccH2Vxgs…
posted at 08:38:04
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
新井紀子『AIvs.教科書の読めない子どもたち』には書いてない「読解力」向上のための講義だ。ここまで中高の国語授業が行われたら教科書の読めない子ども少なくなるはずだ。『読書の教科書』の読み方は試験問題を解くような単純な読書の対局にある全体を捕らえる読書法だ。
https://www.youtube.com/watch?v=IWQkW5FDM20&t=150s…
posted at 08:23:23
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
きのう、2023年4月1日(土)ナショナル・シアター・ライブの映画「かもめ」を見た。非常に感動した。つい話したくなって動画で語った。まだ上映中なのでぜひ見に行くことをお薦めしたい。その魅力を語っているので聞いてほしい。演劇やドラマリーディングに関心ある人は必見だ。
https://www.youtube.com/watch?v=wCN8thWG6aA…
posted at 13:40:14
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
オルテガの考えでは著述というものはすべて既成の思想に対する反論となるものだ。とくに理論文とはそういうものである。だから、文章が書けない人はまず既成の考えを正確に知ること、次にそれに対する反論を書くことが必要である。試験のための学習では知識の蓄積に留まるだけで考えが発展しないのだ。
posted at 11:33:01
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
わたしの「読解力」を育てるための読書法についてとてもありがたい匿名の批判が書き込まれた。今の日本社会の典型的な考え方であろう。新井紀子著『AIvs.教科書の読めない子どもたち』での「読解力」不足もこんな考えから生まれてくるのだ。わたしの反論をお読みください。
https://www.youtube.com/watch?v=IWQkW5FDM20&t=1s…
posted at 11:18:20
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
オルテガ・イ・ガセットはニーチェのルサンチマンの考えを引き継いだ。大衆の最大の欠点は優れたものを優れていると認めないことだと繰り返す。自らの理論も反省もないことを自覚せずに優れた他者を非難することで自己の存在証明とする。優れたものの発見によって自らが高まることを知らないのである。
posted at 08:51:05
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
10年前の表現よみオーの会でも、こんなかたちのドラマリーディングでチェーホフ「かもめ」をやっていたのだ。YouTubeの「ドラマリーディング」で5,800回の再生回数になっている。今日見たイギリスのドラマリーディングと比べてもなかなかのものだと見直してみる気になった。
https://www.youtube.com/watch?v=7rPq_KyLubg&t=343s…
posted at 17:00:47
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
4月1日(土)イギリスの舞台を映画にした『かもめ』を見てきた。舞台装置なしの「語り」による演劇である。こういうものを見たら、もう日本のドラマリーディングも演劇も見たくなくなる。10人の俳優のことばの表現力がこれほど高いものかとショックを受けるほどである。必見だ。
https://ttcg.jp/cinelibre_ikebukuro/movie/0940300.html…
posted at 16:54:24
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
批評というものには、いい評価もあれば悪い評価もある。どちらにしても、いちばん重要な批評家の役割は、なぜ、どこが、どのようにいいのか悪いのかを言明することである。それなしで、ただいいと褒めることもただ悪いとけなすこともどうせ価値のないものだ。前者は褒め殺し、後者は悪罵というものだ。
posted at 09:29:57
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
いい仕事をしている人の顔はしだいに良くなるものだ。人相が良くなるのだ。それに対して悪事を働いているような人の顔はしだいに悪くなってくる。例えば芸術家の顔が良くなること、政治家の顔が悪くなること、どちらも人格の表現である。つまり、顔というものはその人の人格をはっきり示すものなのだ。
posted at 22:26:31
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
「生き方」と「行き方」との違いがアクセントでどう読み分けられるのか。2種類の「た」の違いは微妙なものであるが、意味を正確に表現するには、(2)か(1)かという深母音の違いがある。深浅アクセントの発声で明確になる。表記(1)深アク=(片仮名)(2)深止め=(平仮名)(3)高アク=片仮名(4)浅声=平仮名 https://pic.twitter.com/qyI0gAgM7B
posted at 22:15:08
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
NTLive映画『かもめ』に付いての解説で、鈴木裕美さんが25分から2分ほど重要なことを語っている。演劇で客を「観客」というのか、「オーディエンス」というのかという根本的な問題についての発言がある。はたして、日本の演劇は観客のためなのか? オーディエンスのためか?
https://www.youtube.com/watch?v=a7b8GiT3Vlc&t=1572s…
posted at 21:46:38
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
本日の飯干大嵩さんとの対談をアップした。2020年に最初の対談今回2度目だ。この3年間の朗読活動を中心に、今後の朗読の世界の人たちがどんな方向に進んでいったらいいのか、そんな教訓を考えたいと思って話していた。ことばに関わる人たちにも参考になる表現の基本も話した。https://www.youtube.com/watch?v=pX7WEQf9OvA…
posted at 18:40:45
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
わたしもシリーズで「かもめ」のドラマリーディングの方法について語った。これは一人でのドラマリーディングの方法である。全幕ではなく途中までであるが、ドラマリーディングでどう上演したらいいかの手がかりにはなるだろう。「かもめ」を知らない人の入門にもなるだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=iRIVO-lwpqs&list=PLZ2ebcJlIypp7TRtLGifImSVjwZv67rYe&pp=gAQB…
posted at 17:45:18
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
この「かもめ」はぜひ見たくなる。ドラマリーディング形式の舞台を映画に撮ったものである。だが、そのセリフの表現だけで感動させてくれそうな予感がある。もう10年前に表現よみオーの会のドラマリーディングの
「かもめ」はYouTubeに上げてあるのだが、それを思い出した。
https://www.ntlive.jp/seagull
posted at 17:41:29
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
夏目漱石「道草(16)七十六から八十」をアップした。義父が健三の元に求職のための無心に訪れた。健三は義父と自分との関係について考える。また、産の近づいた細君との自分との関係も考える。そのうちに細君が子どもを産んだ。人間関係についての深い思索の表現がむずかしい。
https://www.youtube.com/watch?v=QMtr8HHDfpE…
posted at 08:20:30
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
大江健三郎「死者の奢り」はかつて印象的な作品だった。今回『読書の教科書』に書いた方法で書き出し部分を読み直して解説した。文学作品というものには部分的に読んでも作者の資質が表現されているものだ。いろいろな意味で大江健三郎の原点のようなものまで見えた気がする。
https://www.youtube.com/watch?v=IWQkW5FDM20…
posted at 18:39:08
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
『読書の教科書』講義(31)は大江健三郎「奇妙な仕事」の書き出し部分の読解である。読むとはどういうことか、その根本を実践的に解説した。「音読すれば分かる」と簡単に言えないものなのだ。読書のための「道具箱」の技術を応用した。とくに印つけについて詳しい解説である。
https://www.youtube.com/watch?v=H_zMQD4ciL0…
posted at 13:09:20
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
わたしの考えは「英語よりも日本語が大事」である。おとなが学ぶ英語は日本語の基礎から築きあげてこそ、英語での「読み・書き」「話し・聞き」という総合的な英語力がつくものだと考えている。それなのに、日本語教育としての国語教育の内容がはなはだ貧しいものなのである。
https://twitter.com/kirtz_makms
posted at 09:00:36
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
@kirtz_makms Twitterメールが送れないのでここに書きますが、 Zoom で対談をしたい話題です。https://www.youtube.com/playlist?list=PLZ2ebcJlIyprIkaG2SmbIxfKFtiAJtj94…
posted at 08:54:16
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
わたしは「読み・書き、話し・聞き」の基礎から日本語を考えている。国語教育と英語教育をつなぐためには、これまでの国語教育の考え方からでは無理である。いわば日本語と英語を一段高い抽象レベルからながめる必要があるのだ。それは読みでも話しでも、発声・発音の音韻・音声を基礎から始まるのだ。 https://twitter.com/kirtz_makms/status/1641184207698563074…
posted at 08:49:28
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
朗読する人の中には自分の感情を隠すための技術を工夫する人がいる。照れ隠しや世間的な身繕いである。そもそもだれもが自らの深い心に世間的には体裁の悪い反社会的な反発心を抱えているのだ。それをうまく表現しているのが文学作品である。だから朗読で文学世界を表現することで自己解放されるのだ。
posted at 23:40:48
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
これはとてもおもしろい。朗読が声優の声をもとにして人工音声合成でどこまで作られるのか。現在行われている朗読の多くはせいぜい音声合成のレベルだから、そのくらいのものはできるだろう。いま朗読をしている人たちが目指すべきは、張りと艶のある個性的な表現なのである。
https://www.youtube.com/watch?v=kkUKbNR6Tn8&t=19s…
posted at 22:39:32
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
発声の理想は目の前で聞いてもうるさくなく後ろの方まで響いて聞き取れる声だ。クラシックギターの音は一般にはまるで指先で撫でさするように演奏されているものだ。それがこんな風に響かせられるのだ。その基礎は島崎陶人さんの演奏の基礎に音の力の表現力があるからである。
https://www.youtube.com/watch?v=BBTzcIwj9HY…
posted at 20:13:28
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
最近、朗読する人の読み方が速いと益々思うようになった。テレビやラジオで耳にする声が速いのはどうせ意味ないことを話すのだからどうでもいい。せめて朗読では意味ある表現をしてほしいのだ。そのためにまず、ことばのまとまりごとにしっかり区切ることだ。それで区切りごとの意味が浮き立つはずだ。
posted at 19:53:26
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
2023年3月31日(金)午前11時から12時30分まで、 Zoom で、朗読の活動家・飯干大嵩さんと対談をします。テーマは、朗読とは何か?朗読の現状は?今後の朗読の道は?という内容です。傍聴を希望する人を募集します。先着あと5名、希望者はわたし宛に申し込み下さい。参加費無料。
https://www.youtube.com/watch?v=PCVewNk8jbE&list=PLZ2ebcJlIyprIkaG2SmbIxfKFtiAJtj94&index=22&t=17s…
posted at 12:05:13
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
文学作品というものは様ざまな理解と解釈が可能なものである。表面のすじや素材については共通であるが意味の理解については多様な面がある。そのいずれかが把握されるのだ。朗読では作品についての個々人の理解と解釈が声に表現される。表現に欠ける朗読は表面のすじや素材を情報として伝えるだけだ。
posted at 11:07:07
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
この時期、梶井基次郎「桜の樹の下には」を朗読する人は、いかにもおどろおどろしく読むものだ。それは書かれたことの表面に引きずられているからだ。この作品の根底にあるものは、生命というものの孕んでいる矛盾とでもいうようなものだ。生きている実感についての喜びだ。
https://www.youtube.com/watch?v=VqzEE1BktEc&list=PLZ2ebcJlIypq8QSAATuFqi8DLn2L44k2M&index=8…
posted at 09:46:48
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
原文による表現よみ「竹取物語(13)」である。十五夜の夜になるとかぐや姫は月を見ては泣くようになった。帝がその噂を聞いて訪ねてくる。月の使者が迎えに来るというので軍隊を配備して備えることになる。物語の心情が感じられる読みならば内容の理解はしやすくなるだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=nG-69puFj3Q…
posted at 09:34:34
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
朗読を聞いたとき(1)読んでいるのか(2)語っているのかという根本的な区別ができる。音楽の(1)頭打ちか(2)バックビートかである。(1)は2音節目から高くひねり上げる調子だ。(2)ではリズミカルに後ろが沈んで落ち着くのだが、(1)の読みでは語末が浮いて流れる。(2)の語りからは安定感が生まれるのだ。
posted at 23:50:35
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
人には2種類の声がある。(1)公式の声と(2)私的な声である。交通整理の巡査が「おい!止まれ」と職務の指示をするのは(1)で「その服は似合うね」と親しく声を掛けるのは(2)だ。人はもっぱら(1)に馴らされてしまったから(2)の声が出ないのだ。朗読の価値ある目的は(2)を取り戻すことにあると言いたい。
posted at 22:18:27
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
発声と呼吸とは別物である。深い声は呼吸として出るのではなく息を停止した緊張状態から出る。「保息」「密息」と呼ばれる。声は息に乗せるものではない。呼吸を停止した状態を保ちつつ声で息を吐くようなものだ。ムダな息は出さずに声のすべてが息となる。だから深い声では密度ある息が保たれるのだ。
posted at 18:40:18
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
バックビートは2拍4拍でポケットができるビートだ。日本語のことばもバックビートである。たとえば「こウ/いウ/こト/かラ/はジ/めマ/□ショ」と浅深の繰り返しで語る。片仮名の母音が深母音の発声となってポケットになる。最後に□で持ち上げて終止となる。謡やお経の発声が自然な語りなのである。
posted at 17:06:58
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
舞台で台詞の声がうるさく感じられるのは母音が浅いからだ。首から上で大声が響いているのだ。深い母音発声の声ならば感情の表現も深いところから出てくる。日本語の発声理論においては母音の深さがまったく考えられていない。深母音の発声が加わることでことばの表現がどれだけ豊かになることだろう。
posted at 14:23:29
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
アニメや外国映画の吹き替えのせりふを聞いて思うことは声のリアリティとは何かということだ。世間に通用する声は人間が浅い意識で交流するための浮気声だ。それに対して、文学作品に書かれた声は、人間の深い思いの真実を語る本気声である。世間で聞き慣れた声にはない真実の声の表現が朗読の課題だ。
posted at 11:41:41
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
「声音(こわね)」という言葉がある。これは本音と建て前の「本音」につながる。「本当の音」「もとの音」という意味だ。また「音(ね)」とは「根(ね)」である。「声音」でいうなら、声は表面のもの、音は深いものだ。表現とは「音(ね)を上げる」ことだと言える。根にある感情を深母音として表すことだ。
posted at 11:33:55
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
朗読に楽器の演奏を付けたとき、どちらかが主となりどちらかが従になりがちである。たいてい朗読が従になって音楽の添え物になってしまう。ナレーションやアニメの演技と似た宿命である。朗読と楽器演奏とが対等になったとき、本来の共演が成り立つ。そんな朗読に必要なのは声の力、深母音発声の力だ。
posted at 11:22:18
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
2023年3月31日(金)午前11時から12時30分まで、 Zoom で、現在活躍中の朗読の活動家・飯干大嵩さんと対談をします。テーマは、朗読とは何か?朗読の現状は?今後の朗読の道は?という内容です。傍聴を希望する人を募集します。先着10名、希望の方はわたし宛に申し込みして下さい。参加費など無料です。
posted at 00:15:44
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
東京ではそろそろ桜も満開になる。というわけで、坂口安吾「桜の森の満開の下」を読んでみた。山賊と女との関係とは、いったいどういうものなのだろうか。男と女の永遠のテーマの基礎にあるのは、個々の人間の孤独というもの、そして、生きるということの意味が問われている。
https://www.youtube.com/watch?v=Et5zl30ofOE&t=849s…
posted at 22:23:49
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
坂口安吾「桜の森の満開の下」を連想した。わたしはきのうこの作品を会場で表現よみした。この作品は書かれたことばの意味で読ませる作品ではない。山賊の男が桜の森の満開の下で体験したいわば無意識の状態を描こうとしたものだ。人間の生というものは意識の世界と無意識の世界の統一なのであろう。 https://twitter.com/walhallahlaw/status/1640098502318624768…
posted at 19:55:44
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
ひとりドラマリーディングというものができる。2006年に録音した「かもめ」の冒頭のひとりドラマリーディングである。声だけ聞いて劇場の空間や人と人との距離が感じられたら大したものだ。ドラマリーディングは音読ではない。文字しか見えないなら表現する意味はないのだ。
https://www.youtube.com/watch?v=dlMyRlzVxr8&t=515s…
posted at 19:33:29
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
演劇の訓練としてドラマリーディングがある。いろいろと聞いてみるがおもしろくない。身内の音読による打合せだ。聞き手のものではない。どうしたらいいか。わたしが「かもめ」を例に工夫したひとりドラマリーディングの方法だ。せりふはもちろんト書きも表現せねばならない。
https://www.youtube.com/watch?v=iRIVO-lwpqs…
posted at 19:05:53
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
かつてAという政治家がいた。この人の話し方は一音一音が不明瞭で呂律の回らないものだったがことばが聞き取れたのである。わたしはそれが不思議だった。今ではなぜか分かる。子音の発音は曖昧だが深母音のアクセントがしっかり付いていたからだ。類人猿のボノボも深母音によって感情も表現していた。
posted at 18:51:03
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
朗読の発声では母音が重要だ。(1)深母音発声(2)浅母音発声の2種類がある。(1)の発声練習が訓練目標であり(2)の特別な訓練は不必要だ。子音の発音では一般的な発音訓練は不十分だ。子音の差異は個人別に相対的に決まるものだからだ。重要なのは(1)(2)の母音でのアクセントによる語句の意味区別である。
posted at 12:34:51
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
アナウンスやナレーションの目標は個性を消すことにある。だからいつか機械化された音声合成に取って代わられるだろう。だが朗読は個性の表現である。徹底的に個性ある読みを目指すべきである。朗読の個性とは作品の意味の単一性から生まれる。そもそも意味の理解とは個々人による独自の理解なのだ。
posted at 12:16:28
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
「棒読み」ということばは意味が深い。棒はたいてい木の棒だ。しかし、長いものだから、刻み込んで区切りをつけねばならない。それに対して、竹だったら節がすでについている。その決まった区切りで読んだら「節つけ読み」になる。棒には自分にとって区切りが必要だ。文字の並びをどう刻むかが課題だ。
posted at 11:22:48
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
アニメの声優や外国映画の吹き替えの声優の表現に感じるのはいかにも芝居らしく作った型である。また、朗読にもいかにも朗読調というものがある。そんなときに「棒読み」という考え方が本来の表現に立ち戻る手がかりになるだろう。それは、テキストの意味を正確に読み取るための行為のことなのである。
posted at 11:14:31
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
渡辺知明の対談集をアップした。富山県で活躍する俳優の長澤泰子さんと「演劇と朗読との底流にあるもの」というタイトルで対談をした。今の演劇に求められるもの、また、朗読を学ぶことによって得られるものなどについて話した。今後の声の芸術表現に必要なものが見えてきた。
https://www.youtube.com/watch?v=dfEkdFNSxYU…
posted at 09:11:19
〔朗読を表現へ〕渡辺知明:『読書の教科書』(2019)@WATANABE_tomo
せりふの表現はいろいろある。(1)アニメ声優(2)外国映画声優(3)舞台俳優(4)朗読でのせりふだ。この順序で声による表現の独立性が高まるし、またこの順序で感情も深くなる。というのは、添えようとするメディアが変わるからだ。それぞれ(1)絵(2)写真(3)人の動きに添えるのだが(4)は声のみの表現なのだ。
posted at 08:56:56